夜更かしの代償は、朝のコーヒーでは埋められない

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最近、妙に朝が辛い。目覚ましを三回止めてようやく布団から這い出る日々が続いていて、これはまずいなと薄々感じていた。昔はもう少し、すんなり起きられた気がする。子どもの頃は朝六時に勝手に目が覚めて、母が起きる前にリビングでぼんやりテレビを見ていた記憶がある。あの頃の自分は、どこへ消えたのだろう。

春先の朝、カーテンを開けると斜めに差し込む光が眩しくて、思わず目を細めた。少しひんやりとした空気が頬に触れる。窓を開けると、遠くで鳥の鳴き声が聞こえてきて、ああ、もう春なんだなと思う。けれど身体は、まだ冬のままだった。

友人と久しぶりにカフェで会ったとき、彼女がふと言った。「最近、なんだか疲れてない?」手元のカップを両手で包み込むようにして、少し首を傾げながら訊いてくる。図星だった。実は最近、夜中に目が覚めることが多くて、そのたびにスマホを見てしまう。気づけば一時間が過ぎていて、また眠りにつくまでに時間がかかる。そんな日々を繰り返していたら、身体がずっと重いままになっていた。

「自律神経、乱れてるんじゃない?」と彼女は続けた。そう言われてみれば、心当たりがある。仕事で気を張る時間が長くて、帰宅してもなかなかリラックスできない。気づけば肩に力が入ったまま、夜を過ごしている。身体が冷えているのも、きっとそのせいだろう。温かいものを飲んでも、芯から温まる感じがしない。

彼女が勧めてくれたのは、夜の過ごし方を少し変えることだった。湯船にゆっくり浸かること、寝る前にスマホを見ないこと、そして部屋を少し暗くして過ごすこと。どれも当たり前のようで、できていなかったことばかりだ。「あとね」と彼女は笑いながら付け加えた。「私、最近”ナイトリセット・ティー”っていうハーブティー飲んでるんだけど、すごくいいよ」ブランド名かどうかは定かではないけれど、彼女の穏やかな表情を見ていると、試してみたくなった。

その日の夜、私は久しぶりに湯船に浸かった。お湯の温度は少しぬるめに設定して、じんわりと身体が温まるのを待つ。浴室には、ラベンダーの香りが漂っていた。そういえば、こういう時間をちゃんと取るのは久しぶりだ。湯船の中で、ふと肩の力が抜けていくのを感じた。

部屋に戻ると、いつもならすぐにスマホを手に取るところを、今日は我慢してみる。代わりに、本棚から昔買った小説を引っ張り出してきた。ページをめくると、少し黄ばんだ紙の匂いがする。そのまま布団に入って、ゆっくりと文字を追っていく。そうしているうちに、自然と瞼が重くなってきた。ああ、これが本来の眠気なのかもしれない、と思った。

ちなみにその夜、寝る直前に「明日こそ早起きするぞ」と気合を入れすぎて、逆に目が冴えてしまったのは内緒だ。結局眠りについたのは予定より三十分遅れだったけれど、それでも以前よりずっと深く眠れた気がする。

朝、目が覚めたとき、身体が軽かった。窓の外からは小鳥のさえずりが聞こえて、空気が少しだけ甘い香りを含んでいる。もしかしたら、近所の沈丁花が咲き始めたのかもしれない。布団から出るのが、少しだけ楽になっていた。

身体を温めること、ちゃんと眠ること。それだけで、こんなにも違うのだと実感した朝だった。

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