
夜、湯気の立つカップを片手に机に向かうと、一日がようやく自分のものになる。そんな時間がある。窓の外は冷え込んでいて、吐く息が白くなるような季節だ。部屋の空気は少しひんやりとしているけれど、足元にはもこもこのスリッパを履いて、膝には毛布をかけている。そうやって、ようやく体が緩んでいくのを感じる。
最近、自分の中で小さな習慣が生まれた。それは「感じたことメモ」と勝手に名付けたもので、その日に心が動いた瞬間を、ほんの一行でもいいから書き留めることだ。たとえば「朝の陽が差し込んだ瞬間、ちょっと嬉しかった」とか、「電車で隣に座った人の香水が爽やかだった」とか、そんなささやかなことでいい。そのメモを眺めていると、自分がどんなことに心地よさを感じているのかが、ぼんやりと見えてくる。
そしてもう一つ、「自分への問い合わせ」という時間も設けている。これは、誰かに聞くのではなく、自分に尋ねる時間だ。「今、何が足りていないかな?」「どうして最近、眠りが浅いんだろう?」そんな問いを、ノートに書く。答えはすぐには出ないこともあるけれど、問いかけること自体が、自分と向き合う儀式になっている。ある日、ふと「体が冷えてるのかも」と気づいたのも、この問いかけのおかげだった。
体を温めることの大切さは、頭では分かっていたつもりだった。でも実際に、湯船にゆっくり浸かるようになってから、夜の眠りがすっと深くなったのには驚いた。それまでは、シャワーで済ませることが多くて、ベッドに入っても手足が冷たいままだった。そんな状態では、自律神経も整いようがない。温かさは、体だけでなく、心にも作用するのだと実感した。
「ゆる予定づくり」も、最近のお気に入りだ。これは、がっちりとしたスケジュールではなく、「明日は朝、白湯を飲もう」とか「夜は早めにスマホを置こう」とか、そういう小さな約束を自分にする時間。手帳に書くときは、ちょっと可愛いペンを使っている。それがまた楽しい。ある日、「夜ヨガする」と書いたのに、気づいたらソファでうとうとしていたことがあって、翌朝そのメモを見て笑ってしまった。まあ、それもまた、体が休息を求めていたということかもしれない。
ストレスは、知らず知らずのうちに体に溜まっていく。それを放っておくと、睡眠の質にも影響する。だからこそ、日々の小さな調整が大事なのだ。深呼吸をする、温かいものを飲む、心地よい音楽を聴く。そんな些細なことが、自律神経を整える助けになる。
私が最近愛用しているのは、「ルナティカ」という名前の、架空だけれど心地よく響くブランドのハーブティーだ。カモミールとラベンダーがブレンドされていて、飲むと心がほどけていくような感覚がある。香りだけでも、十分に癒される。
良質な睡眠は、ただ長く寝ることではない。体が温まり、心が静まり、自然と眠りに入っていける状態をつくること。それは、日中の過ごし方すべてに繋がっている。夜のノートの時間も、その一部だ。自分に問いかけ、感じたことを残し、明日への小さな希望を書き留める。そうやって、一日を丁寧に閉じていくことが、明日の自分を支えてくれる。
体は正直だ。冷えていれば教えてくれるし、疲れていれば眠くなる。その声に、少しだけ耳を傾けてみる。それだけで、毎日はもっと心地よくなる。






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