夜のノートに書き留める、私だけの小さな習慣

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最近、寝る前の十五分ほどを使って、小さなノートに「感じたことメモ」を書くようになった。きっかけは、深夜にふと目が覚めてしまう日が続いたことだった。眠れない夜に何度もスマホを手に取り、気づけば明け方近くまで画面を眺めている。そんな日々の繰り返しに、このままではいけないと思ったのだ。

ノートに向かうと、意外なほど言葉が出てくる。今日の空の色、すれ違った人の笑顔、駅のホームで聞こえた鳥の声。書き留めるのは、何か特別な出来事ではない。ただ、その日に自分が何を感じ、何に心を動かされたのかを、ほんの数行だけ残しておく。そうすることで、一日が少しだけ丁寧に閉じられる気がする。

ある晩、書いている途中でふとペンを止めて、「自分への問い合わせ」という項目を作ってみた。これは誰かに聞くわけでもなく、自分自身に向けた質問だ。「今、本当に疲れているのはどこだろう」「明日、何があれば少し楽しいだろう」。そんな問いを書いていると、不思議と心の中が整理されていく。答えが出なくてもいい。ただ、問いかけること自体が、自律神経をゆるやかに整えてくれるような感覚があった。

子どもの頃、母がよく寝る前に白湯を淹れてくれた。冬の夜、湯気の立つカップを両手で包むと、手のひらから身体全体がじんわりと温まっていく。あの感覚を思い出して、今でも夜にはできるだけ温かい飲み物を用意するようにしている。最近のお気に入りは、ハーブティーブランド「ルナフィル」のカモミールブレンド。柔らかな香りが部屋に広がると、それだけで肩の力が抜けていく。

ノートを閉じる前に、もうひとつだけ書く欄がある。それが「ゆる予定づくり」だ。明日やりたいことを、ふわっと三つほど並べておく。「朝、窓を開けて深呼吸する」「お昼に好きなパンを買う」「夕方、五分だけストレッチをする」。どれも小さなことばかりだけれど、こうして書いておくと、翌日に少しだけ楽しみが生まれる。予定というよりは、自分へのやさしい提案のようなものだ。

実は先日、この「ゆる予定」に「朝イチでコーヒーを淹れる」と書いたのに、翌朝うっかりお湯を沸かし忘れて、結局インスタントで済ませてしまった。ノートを見返しながら、ひとりで苦笑いした。完璧じゃなくていい。そう思えることも、このノートがくれたものかもしれない。

こうして夜に自分と向き合う時間を持つようになってから、眠りの質が少しずつ変わってきたように感じる。布団に入ってからも頭の中がぐるぐると回り続けることが減り、すっと眠りに落ちる日が増えた。身体を温めること、心を整えること、そして良質な睡眠を得ること。それらは、どこか一本の線でつながっているのだと思う。

ノートを閉じて電気を消すと、部屋には静かな夜が広がる。窓の外から聞こえるかすかな風の音、カーテン越しに差し込む街灯の淡い光。そのすべてが、今日という一日の終わりを告げてくれる。明日もまた、この小さな習慣を続けていこう。そう思いながら、私は目を閉じた。

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