**夜の10分が、あなたの明日を変える――ストレッチ・深呼吸・ゆる筋トレで整える、自律神経とやすらかな眠り**

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七月に入ってから、夜がなかなか終わらない気がしている。エアコンの設定温度を26度にしても、どこかじわっとした熱が肌に残る。そんなある夜、ふと思い立って寝室の床にヨガマットを広げてみた。ブランドは「モルフィール」という、北欧っぽいくすみグリーンが気に入って買ったもので、ずっとクローゼットの奥で眠っていた。少し恥ずかしい話だが、袋から出したのはその夜が初めてだった。

まず試したのは、ゆっくりとしたストレッチだ。両腕を天井に向かって伸ばし、そのまま左右にゆっくり倒す。たったそれだけなのに、日中ずっとデスクの前で縮こまっていた体の奥が、じわりとほぐれていく感覚がある。
ゆっくりした呼吸と合わせてストレッチを行うと、自律神経のバランスに良い影響を与えるとされており、首・胸・腰まわりをゆっくり伸ばすことが推奨されている。
その言葉を思い出しながら、腰をゆっくり丸めると、背骨のあたりでかすかにポキッと音がした。思わず「あ、出た」と小声でつぶやいたのは、誰にも聞かれていないから許してほしい。

ストレッチの後は、深呼吸へと移る。
鼻からしっかり息を吸って、口からしっかりと吐き出す深くゆっくりした腹式呼吸は、副交感神経に強く働きかけ、体をリラックスさせてくれる。
子どもの頃、母が「大きく息を吸いなさい」とよく言っていたのを思い出す。当時はただの口癖だと思っていたが、あれはちゃんと意味があったのだ。鼻から4秒吸って、8秒かけてゆっくり吐く。吐くときに、床に触れているマットのひんやりとした感触が、足の裏からじんわりと伝わってくる。

続けて、少しだけゆる筋トレを加える。仰向けのまま、膝を立てて骨盤をゆっくり持ち上げるヒップリフト。たった10回。きつくはないが、じんわりとお腹の奥に熱が集まってくる。
ぐっすりと深い睡眠をとるためには、深部体温を下げ、副交感神経が優位に働くように、入眠前に体を緩める動きを取り入れることが大切だ。
体を少し動かして温め、その後に体温がすっと下がっていく流れを作る。それが、良質な眠りへの自然な入口になる。

寝つきが悪いのは、ストレス・筋肉のこわばり・自律神経の乱れなどが絡み合っていることが多く、寝る前に軽くストレッチをすることで、交感神経の興奮を抑えて副交感神経を優位にする効果が報告されている。
忙しい日々の中で、自律神経はじわじわと乱れていく。スマホの通知、締め切り、人間関係の小さな摩擦。それらが積み重なって、夜になっても体が「戦闘モード」のまま眠れない、という状態を生み出す。ストレッチと深呼吸は、その切り替えスイッチになってくれる。

呼吸筋の柔軟性を高めて深い呼吸がしやすい状態をつくることが、自律神経のバランスを整えることにつながる。
難しい道具も、特別な場所も必要ない。ヨガマット一枚と、10分の静けさがあれば十分だ。

最後にもう一度、深呼吸をする。今度は目を閉じたまま、吐く息とともに今日あったことを手放すイメージで。窓の外では、夏の夜特有のひぐらしに似た虫の声がかすかに聞こえる。体の温かさが、少しずつ落ち着いていく。ストレッチとゆる筋トレと深呼吸、たったこれだけのことが、翌朝の目覚めをずいぶん変えてくれる。若々しく、健やかに在り続けるために、今夜から始めてみてほしい。

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