「感じたことメモ」から始める、自律神経を整える小さな習慣

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朝、カーテンの隙間からやわらかな光が差し込んでくる。ベッドの中でまだ目が覚めきらないまま、なんとなく手を伸ばしてスマートフォンを探してしまう——そんな朝が続いていた時期があった。気づいたら一時間が過ぎていて、体はだるく、頭はぼんやりしたまま。あれはいったい何だったんだろう、と今でもたまに思う。

転機になったのは、ある小さな習慣だった。「感じたことメモ」を始めたのだ。難しいことは何もない。朝起きたとき、昼間ふとした瞬間、夜眠る前に、自分の体や気持ちが「どんなふうに感じているか」をひとことだけ書き留める。「なんか肩が重い」「胃がちょっと冷えてる感じ」「今日は光が気持ちいい」。それだけでいい。

このメモが、じつは自律神経を整えるための入口になっていた。自律神経は、意識しなくても体を動かしてくれているシステムだ。呼吸、体温、消化、そして睡眠の質にまで深く関わっている。ところが現代の生活は、刺激が多すぎて交感神経ばかりが優位になりがち。体は知らず知らずのうちに緊張し続け、冷えやすくなり、眠りが浅くなっていく。感じたことメモは、そんな体の声に耳を傾けるための、ほんのちょっとした儀式なのかもしれない。

続けるうちに、「自分への問い合わせ」という感覚が生まれてきた。「今日の私、冷えてない?」「昨夜ちゃんと眠れた?」「ストレス、どこかに溜まってない?」。自分の体に問いかけることで、見えてくるものがある。たとえば、足先が冷たいと感じる日は、たいてい睡眠の質が落ちている。そのことに気づいてから、寝る前に「ハーブティーのアムレット・ルージュ(架空のブランド名)」を一杯飲んで、足首にレッグウォーマーをかけるようにした。するとあら不思議、翌朝の目覚めがすこし違う。

子どもの頃、母がよく「冷えは万病のもと」と言っていた。当時はまったくピンとこなかったけれど、今はその言葉の重みがじんわりとわかる。体の芯が温かいと、心もふんわりほぐれる。眠りの深さも変わる。夜中に何度も目が覚めていたのが、気づけば朝まで眠れるようになっていた。

そしてもうひとつ、生活に取り入れてよかったのが「ゆる予定づくり」だ。スケジュール帳に、びっしりとやることを書き込むのとは少し違う。「今週は木曜日の夜、湯船に20分つかる」「土曜の朝だけ、スマホを見ないで窓の外を眺める」——そんな、ゆるくてやさしい予定を先に入れておくのだ。ちなみに最初に書いた予定は「ゆっくり深呼吸する」だったのだが、うっかり「ゆっくり深呼吸を忘れた」と翌日のメモに書いてしまい、自分でちょっと笑ってしまった。

良質な睡眠は、美しさと若々しさを保つための最強の味方だ。成長ホルモンが分泌されるのは深い眠りの中だし、肌の再生も、細胞の修復も、夜の時間に委ねられている。だからこそ、眠りの前の「温める」習慣と「ゆるめる」時間が、翌日の自分を作っていく。

感じたことメモを見返すと、自分の体のリズムが少しずつ見えてくる。変化に気づき、自分への問い合わせを重ね、ゆる予定づくりで心地よい時間を確保する。それだけで、体は驚くほど正直に応えてくれる。大げさな努力じゃなくていい。今夜、眠る前に一行だけ書いてみてほしい。「今日の私、どんな感じだった?」と。

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