お風呂が、わたしを取り戻す夜。入浴時間・ノーメイクデー・ぬくもりアイテムで始める自分ケア

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梅雨の終わりかけ、夜の9時をまわったころ。窓の外にはまだ湿った空気が漂っていて、どこか遠くで雨粒が排水管を叩く音がしていた。その日はずっとパソコンの前に座りっぱなしで、首の後ろがじんじんと重かった。こういう夜に限って、シャワーだけで済ませようとしてしまう。でも、ちょっと待って。そこで湯船に向かうかどうかが、翌朝の自分を決めているかもしれない。

精神的な疲れが積み重なると、身体は「戦うか逃げるか」という交感神経が優位な状態になってしまう。夜になっても神経のスイッチが切れず、自律神経のバランスが崩れていく。
それを穏やかにリセットしてくれるのが、毎晩の入浴時間だ。

38〜40℃程度のぬるめのお湯に10〜15分浸かることで、身体がじんわりと温められて副交感神経が優位となり、リラックス状態へと導かれやすくなる。
熱すぎず、ぬるすぎず。その絶妙な温度のお湯に肩まで沈んだとき、ふっと息が抜ける感覚がある。子どもの頃、母が毎晩「早くお風呂に入りなさい」と言っていた意味が、大人になってようやくわかってきた気がする。

就寝の1時間半から2時間前に入浴することで、体温が自然に下がっていくタイミングで眠りにつくことができ、睡眠の質が向上する。
良質な睡眠は、翌朝の肌ツヤにも直結する。美しさは、夜のうちに静かにつくられている。

バスタイムを「ただ洗う時間」ではなく、美容・リラックス・自分をいたわる「有意義な時間」と捉え、そのための投資に価値があると感じる人が全体の80.6%にのぼる
という調査結果もある。お風呂の過ごし方が、今まさに進化しているのだ。

そんな入浴時間をもっと豊かにしてくれるのが、ぬくもりアイテムの存在。最近お気に入りなのは、ラベンダーとヒノキをブレンドした「ユアンバスハーモニー」という入浴剤。湯気と一緒に立ちのぼるやわらかな香りが、鼻腔をすっと通り抜ける瞬間、それだけで今日という一日を手放せる気がする。バスルームの小さな窓に白い湯気が漂い、タイルがほんのり温かくなっていく。五感ぜんぶで、ゆっくりほどけていく時間。

そして翌朝。思い切ってノーメイクデーにしてみる。ファンデーションもアイシャドウも、今日はお休み。洗いあがったばかりの肌に化粧水だけを重ねて、そのまま外に出る。最初は少しそわそわしていたけれど、歩いているうちに「あれ、意外と気持ちいいかも」と気づく。肌が呼吸している感じ、とでも言えばいいか。ちなみに以前、ノーメイクデーに意気込んで外出したら、帰宅後に鏡で眉毛が左右非対称だったことに気づいた。誰にも言わなかったけれど、なんとなく笑えた。

ぬくもりアイテムは、お風呂の中だけにとどまらない。湯上がりにふわっと羽織るオーガニックコットンのバスローブ、温かいハーブティーをゆっくり飲む時間、足元を包む厚手のルームソックス。こういった小さなぬくもりアイテムたちが、身体の芯から温まった状態をじっくりと持続させてくれる。

バランスの良い食事、適度な運動、質の良い睡眠、身体を温めること、ストレスケアなどを見直しながら、自分に合うケアを習慣づけることが大切だ。
特別なことは何もいらない。毎晩の入浴時間を、少しだけ丁寧に過ごすこと。それだけで、自律神経は静かに整いはじめ、眠りは深くなり、朝の顔が変わってくる。

若々しくいたい、健やかでいたい。その願いは、派手なケアより先に、今夜の湯船の中にある。

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