今夜の入浴時間が、あなたの眠りと若さをつくっている

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夜の9時を少し過ぎた頃、洗面台の鏡に映った自分の顔を見て、ふと思った。今日はノーメイクデー。素顔のまま一日を過ごして、肌はどうだろうと覗き込んだら——思ったより悪くない。いや、むしろ少し透明感があるような気さえした。そのとき、「あ、最近ちゃんとお風呂に入れてるからかな」と、なんとなく感じたのだ。

精神的な消耗が積み重なると、私たちの身体は「戦うか逃げるか」という交感神経が優位な状態のまま、夜になっても切り替わらなくなってしまう。
スマホの通知、仕事のマルチタスク、人間関係のざわざわ——そういうものを全部抱えたまま布団に入っても、なかなか眠れないのは当然かもしれない。

だからこそ、入浴時間が大切になってくる。

湯温の理想は38〜40℃で、15分程度がおすすめとされている。この温度が副交感神経を優位にし、ストレスの軽減や睡眠の質の向上につながるとされているのだ。
子どもの頃、母が「熱いお風呂に長く入ってはいけない」とよく言っていた。当時は意味がわからなかったけれど、今になってその言葉の意味がじわりとわかる気がする。

入浴は就寝の1時間半〜2時間前が最適とされており、入浴後に体温が自然に低下していくことで、自然な眠気が促される。
たとえば23時に眠りたいなら、21時頃にはお風呂に入り終えているのが理想的だ。

湯船に浸かると、最初の数分は少し熱く感じる。でも、じっと待つ。肩まで沈めて、ゆっくりと息を吐く。ユズのような柔らかい香りの入浴剤——私が愛用しているのは「ホノカバス」というブランドのもので、和の植物エキスが配合されている——をひとさじ溶かすと、湯気がふわっと立ち上って、浴室全体が包まれる感じがする。その瞬間、なんだか一日分の緊張がすっと抜けていくような気がするのだ。

「自律神経が適切なタイミングでスイッチし合うことで、日中は元気に働けて、夜もスムーズに眠れ、翌朝もスッキリ起きられる」と専門家は語る。
入浴はその切り替えを、穏やかに後押ししてくれる行為なのだと思う。

お風呂上がりには、ぬくもりアイテムの出番だ。私のお気に入りは、厚みのあるオーガニックコットンのバスローブと、足元に敷く小さなウールのマット。肌に触れるものすべてが柔らかく温かい。この感触が、体の芯から温まった状態をもう少しだけ引き延ばしてくれる。

ちなみに以前、入浴後にうっかりスマホを見始めて気づいたら1時間以上経っていたことがある。せっかく副交感神経が優位になっていたのに、画面の光で全部チャラになってしまったらしく、その夜は妙に目が冴えてしまった。自分でも苦笑いするしかなかった。

夜遅くまでのスマートフォンの使用は、副交感神経へのスムーズな切り替えを難しくする要因になるという。
入浴後のスマホは、せっかくの「眠りの準備」を台無しにしてしまうかもしれない。

「入浴は自律神経の調律やスムーズな入眠だけでなく、将来の健康をつくる場所だ」と専門家は言う。
大げさに聞こえるかもしれないけれど、毎晩たった15分の入浴時間が、肌の調子を整え、眠りの深さを変え、翌朝の自分の顔つきまで変えていく——そう思うと、今夜のお風呂がちょっと特別に感じてくる。

ノーメイクデーに鏡を覗いて、「悪くないかも」と思えたあの感覚。それはきっと、毎夜の入浴時間が少しずつ積み重なった結果なのかもしれない。

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