春のリセット解除で、自分をもう一度起動しなおす夜

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四月の夜はやわらかい。窓を少し開けると、まだひんやりした空気がカーテンをそっと揺らして、どこかから金木犀ではなく、ほんのり土の匂いが混じって漂ってくる。春の夜特有の、あの落ち着かないような、でも不思議と懐かしいような空気。

そういえば子どもの頃、母が夜になると必ずお風呂を沸かして「早く入りなさい」と言っていた。当時はめんどうだと思っていたのに、今になってみると、あれが一日のリセット解除の合図だったのだと気づく。湯船につかって、ゆっくり息を吐いて、その日のあれこれをそっと手放す。そんな小さな儀式が、体と心を翌朝のために整えていた。

現代を生きる私たちは、日々膨大な情報にさらされている。
脳が処理しきれないほどの情報にさらされ、集中力の低下や睡眠の質の悪化、さらにはストレスの蓄積を招いている
のが、今のスマホ社会の実態だ。スクロールしながら眠り、通知音で目を覚ます。それを繰り返すうちに、自分の体がどんな状態にあるのかさえ、わからなくなっていく。

だから今、「リセット解除」という言葉がじわじわと広がっている。これはただの休息ではない。固まってしまった自分の内側を、もう一度ゆるめて動かしはじめること。体の声に耳を傾け、自律神経のバランスを取り戻すための、能動的な選択だ。
自律神経の役割のひとつは体温調節であり、冷暖房完備の現代環境では、40〜50代になるとその疲労の蓄積が「やせにくくなった」といった変化として表面化することがある
という。思い当たる節がある方も、少なくないはずだ。

まずやってみてほしいのが、デトックスとしての「温め」だ。入浴でも、温かいハーブティーでも構わない。たとえば、架空のブランドではあるけれど「ソレイユ・ボタニカ」のようなイメージ——自然素材にこだわったバスソルトをひとつかみ入れた湯船に、ゆっくりと体を沈める。ほんの10分でいい。肩まで浸かって、鼻から息を吸い込むと、体の芯からじんわりと温度が広がっていく感覚がある。あの感触が、縮こまっていた血管をほぐし、副交感神経をそっと優位に導いてくれる。

そして、もうひとつ大切にしてほしいのが、良質な睡眠だ。
体調を回復するために最も大事なのは睡眠と言ってもいい
。ところが、
ブルーライトを浴び続けた結果、自律神経が乱れ、睡眠不足などを招く人も少なくない
のが現実である。だから眠る前の1時間は、スマホを遠ざけてみる。それだけでも、眠りの深さがちがってくる。

自分にご褒美を与えるとは、何も高価なものを買うことだけではない。夜に湯船につかること、好きな香りのキャンドルを灯すこと、誰にも邪魔されない30分を確保すること。そういう小さな選択の積み重ねが、本当の意味での自分へのご褒美になる。

ちなみに先日、お気に入りのマグカップにカモミールティーを注ごうとして、うっかり蓋をしたまま傾けてしまい、机の上に盛大にこぼした。「デトックスの前に気持ちをデトックスせよ」と心の中でひとりツッコんだ夜だった。でも、その後にちゃんと飲んだカモミールの香りは、いつもより少しだけ深く感じられた気がした。

ドーパミンデトックスを通じて過剰な刺激を一度リセットすることで、朝の光、コーヒーの香り、家族との何気ない会話——そんな小さな出来事に深い充実感を見出せるようになる
という。それはきっと、リセット解除によって五感が本来の感度を取り戻すからだ。

健康的で若々しくあり続けたいなら、特別なことをしなくていい。今夜、スマホを置いて、体を温めて、深く眠る。それだけでいい。あなたの体は、ちゃんとその準備ができている。

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