
梅雨の夜は、なんとなく気持ちまで湿っている気がする。窓の外では雨粒が葉を叩く音がして、部屋の中はひんやりと、でもどこか蒸し暑い。そんな6月の夜、ふと自分の体が「重い」と気づいた。疲れているのに眠れない。朝、目が覚めても何かが取れていない感じ。
あれは確か小学生の頃、梅雨の季節になると祖母がいつも「体が冷えると心まで沈むよ」と言いながら、土鍋で生姜湯を作ってくれていた。子ども心にもその温かさが、じんわりと背骨の奥まで届くような心地がして、なんだか泣きそうになったのを覚えている。あの感覚は、今思えば自律神経が「ほっ」とした瞬間だったのかもしれない。
現代の生活では、情報量の多さや仕事の緊張、夜更かしなどで交感神経が優位になりやすい環境が続いている。
スマホの通知音、SNSの流れ、誰かの投稿。
SNSを中心とした膨大な情報量や、いいね・リプライ・通知といったコミュニケーションの連続に疲れを感じる人が増えており
、心と体の「リセット解除」が今まさに求められている。
リセット解除とは、ただ「休む」ことではない。乱れた自律神経のスイッチを、意識的に切り替えること。交感神経の緊張状態を解き、副交感神経へとバトンを渡す、その小さな儀式のことだ。
まず試してほしいのが、夜のお風呂の使い方を変えること。
就寝の1時間半〜2時間前に38〜40℃のぬるめのお湯に浸かることで深部体温が上昇し、就寝のタイミングに合わせて体温が下がり始め、自然な眠気を誘発することができる。また、入浴で身体が温まると血管が広がり、副交感神経が優位な状態に切り替わりやすくなる。
先日、アロマブランド「ルミネア・バス」の入浴剤(ラベンダーとヒノキのブレンド)をお試しで使ってみたら、湯船に入った瞬間にふわっと香りが立ちのぼって、思わず「あ、これだ」と声が出てしまった。一人で(笑)。
デトックスというと、食事や断食をイメージしがちだが、本当の意味での体のデトックスは「温める」ことから始まる。
体を温めることで血流を促進し、自律神経のバランスを整えることができれば、体も心も楽になっていく。
冷えは自律神経の乱れを悪化させる要因のひとつ。特に冷房が効いたオフィスで長時間過ごしている方は、体の芯が冷えていることに気づかないまま疲弊していることも少なくない。
そして、もう一つ大切にしてほしいのが「眠りの質」だ。
スマートフォンやパソコンの画面から出る強い光は脳を刺激して交感神経の活動を優位にさせ、寝る直前までスマートフォンを見ていると、身体がなかなか副交感神経に切り替わらず、眠りが浅くなりやすい。
就寝の2時間前からスマホを手放すだけで、翌朝の目覚めが変わってくる。
起床後はできるだけ早くカーテンを開け、自然光を目に入れること。光は体内時計をリセットする合図になり、朝に交感神経へ切り替わりやすくなる。
朝の光を浴びながら、ゆっくりと深呼吸する。それだけで、体の中に新しい一日が始まる感覚がある。
良質な睡眠は、自分への最高のご褒美だ。高価なスキンケアも、話題のサプリメントも、眠れていない体には届きにくい。
自律神経が整うと良質な睡眠が得られやすく、また睡眠のメカニズムが適切に働くと生活リズムが整い、自律神経も整いやすくなる。
この好循環こそが、いつまでも若々しくいられる秘訣なのかもしれない。
梅雨の夜、雨音を聞きながら湯船に浸かって、スマホを遠ざけて、ゆっくり呼吸する。それが今夜からできる、一番シンプルなリセット解除の始まり。自分の体を温め、自律神経を整え、眠りに丁寧に向き合うこと。それは誰かのためではなく、ちゃんと自分にご褒美を贈る行為だと思う。






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