**お風呂が、わたしを取り戻してくれる──入浴時間が変える自律神経と睡眠の質**

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梅雨の入り口、じっとりとした空気が肌にまとわりつく夜だった。シャワーだけ浴びてさっさと寝るつもりが、なんとなく湯船のふたに手をかけていた。そういう夜ってある。理由はうまく説明できないけれど、体が「ちゃんと温まりたい」と言っている感じ。

忙しい現代人にとって、入浴時間は日常のストレスから離れる貴重な時間だ。
頭では分かっていても、シャワーで済ませてしまう日が続くと、どこかじわじわと疲れが蓄積していく。そのうちに眠りが浅くなり、朝起きても「あれ、寝た気がしない」という日が増えてくる。

お湯に浸かりながら、ふと子どもの頃を思い出した。母が毎晩、決まって21時ごろにお風呂を沸かしていた。「早く入りなさい」と言われるのが少し面倒で、でも一度入ってしまえば、湯気の中でぼんやりするのが好きだった。あの頃は、あの時間が自律神経を整えているなんて、もちろん知らなかった。

夜は副交感神経に切り替える時間を意識して作ることが大切で、38〜40℃程度のぬるめのお湯に10〜15分ほど浸かると、体がゆるみやすく、リラックスのスイッチが入りやすくなる。
熱いお湯でさっと入るより、ぬるめでじんわり、が基本らしい。
入浴のタイミングは就寝の1時間半〜2時間前が目安で、入浴で深部体温がいったん上がり、その後下がっていく過程で眠気が出やすくなる。

そういえば最近、ノーメイクデーを意識して週に2日ほど設けるようにした。肌に何もつけない日をつくると、自分の素の肌と向き合う時間が生まれる。そんな日の夜ほど、丁寧に入浴したくなるから不思議だ。湯船に「ユズノワ」のバスソルトをひとつまみ入れると、ほのかな柑橘の香りが浴室に広がって、ただそれだけで肩の力が抜ける。嗅覚って、思っているより正直だ。

お風呂で体を温めると副交感神経が優位になり、自律神経のバランスを整えることができるから、日中のイライラや興奮を和らげたい方、リラックスして睡眠の質を上げたい方にもおすすめだ。

ぬくもりアイテムも、最近は湯上がりのルーティンに加えた。厚手のバスタオルで体を包む瞬間、ふわっとした温かさが体の芯から広がる感覚。あ、これだ、と思う。冷える夜には特に、その温もりがそのまま眠りへの橋渡しになってくれる。

ところで先日、湯船から出ようとして、うっかりバスソルトの袋ごと湯船に落としてしまった。「あ」と思った瞬間、袋がゆっくり沈んでいくのを眺めながら、なぜかそれほど慌てなかった。お風呂の中って、ちょっとしたことが気にならなくなる場所なのかもしれない。

ゆっくりとした入浴による皮膚表面温度の上昇から毛穴も開き、疲労物質や老廃物が汗と共に体外へ排出されやすくなる。これは短時間のシャワーでは難しく、睡眠の質の向上も期待できる。

毎晩の入浴時間は、美しさや若々しさを保つための最もシンプルな習慣のひとつ。特別な何かを買わなくていい。ただ、湯船に浸かる。ノーメイクデーの夜に、ぬくもりアイテムを傍らに置いて、スマホを手放して、ただお湯の中にいる。その15分が、自律神経を整え、ストレスを手放し、深い眠りへと体を導いてくれる。

「入浴は自律神経の調律やスムーズな入眠だけでなく、将来の健康をつくる場所でもある」
という言葉が、じわりと響く。

梅雨の夜、湯気の中でぼんやりしながら、今夜もそう思った。

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