「感じたことメモ」と自分への問いかけが、眠れる身体をつくる——ゆる予定づくりで自律神経を整える話

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七月の朝、カーテンの隙間から差し込む光がフローリングに細長く伸びていた。まだ七時を少し過ぎたころ。蝉の声が始まる直前の、あの一瞬だけ静かな時間が好きだ。コップに注いだ白湯がほんのり湯気を立てていて、両手でそっと包むと、手のひらからじわっと温かさが広がってくる。

そのとき、ふと気づいた。「最近、ちゃんと眠れているか?」

自分への問い合わせ、というのはそういうことだと思う。大げさな自己分析じゃなくて、白湯を飲みながら「今日の自分はどうだろう?」とぼんやり問いかけるくらいの、小さな対話。
自律神経には、日中に働く交感神経と、夜にリラックスしているときに働く副交感神経がある。
この二つのバランスが崩れると、眠りが浅くなったり、朝の目覚めが重くなったりする。

わたしが「感じたことメモ」を始めたのは、去年の秋口のことだった。特別なノートじゃなくていい。近所の文具屋「カミノヤ」で買った、表紙がくすんだ青のリングノートに、その日感じたことをぽつぽつ書くだけ。「今日は肩が重かった」「夕方、なぜか涙が出そうになった」「お風呂上がりがやけに気持ちよかった」。そんなことを三行か四行。
日記やメモをつけることで副交感神経が優位になり、気持ちが落ち着いてくる。
寝る前のこの習慣が、いつの間にか眠りへの入り口になっていた。

ところが正直に言うと、最初の一週間は「今日、特に感じたこと……ないな」と書けずにペンを止めてしまうこともあった。ページが白いまま閉じて、「まあいいか」と電気を消したこと数回。それでも続けていると、気づくことが増えてくる。感じる力って、使わないと鈍るものらしい。

睡眠リズムを整えるためには、起床時間を一定に保ち、朝に光を浴びる習慣が重要で、生活リズムを安定させることで自律神経のバランスが保たれる。
だから「ゆる予定づくり」も大切にしている。がちがちのスケジュールじゃなくて、「明日の朝は白湯を飲む」「夜はお風呂に少し長めに入る」くらいのゆるい約束を、自分に向けてそっと立てておく。子どもの頃、母が毎晩決まった時間に「おやすみ」と言いながら部屋の電気を消してくれた。あの繰り返しが、なんとなく安心感をつくっていたのだと、大人になってようやくわかった気がする。

その日のうちに解決できないことを紙に書き出してアウトプットすることで、頭の中から追い出し、頭を空っぽにすることができる。
感じたことメモは、そのまま「今日の自分の棚卸し」になる。書いたら、もう今夜は考えなくていい。ノートを閉じる音が、一日の終わりの合図だ。

身体を温めることも、この習慣と切り離せない。お風呂上がりに足首をぐるぐる回しながら、今日どんなことが嬉しかったかをぼんやり思い出す。窓の外に夏の虫の声が聞こえて、部屋の中には微かにラベンダーのにおいが漂っている。
寝室の温度は18度から22度、湿度は50%から60%が理想的で、暑すぎても寒すぎても眠りが浅くなってしまう。
環境を整えることも、立派な自分への問い合わせだと思う。

感じたことメモを書き、ゆる予定づくりで明日の自分にやさしく橋をかける。それだけで、夜がずいぶん違って見えてくる。若々しくいたいとか、美しくありたいとか、そういう願いって実は、夜の質から始まっているのかもしれない。大きな努力より、小さな問いかけを今夜から。

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