今夜の入浴時間が、あなたの眠りと自律神経を変える理由

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夏の夜、窓の外からはまだ熱気が漂ってくる。エアコンの風がすうっと首筋をかすめて、ちょっとだけ涼しすぎる。そんな8月の夜に、わたしはここ最近、ある小さな習慣を始めた。寝る前の「ちゃんとした入浴時間」だ。

きっかけは些細なことだった。友人が「ノーメイクデーを週に一度つくってから、肌の調子が全然違う」と話してくれた日の夜、なんとなく自分の生活を見直してみたら、シャワーで済ます日がほとんどだと気づいてしまった。湯船に浸かった記憶が、遠い昔のことのように感じられて、少しだけ焦った。

お風呂に浸かると身体が温まり、お湯の温度や感じ方に応じて交感神経と副交感神経のスイッチが切り替わり、自律神経のバランスを整えてくれる。
これを知ったとき、「あ、だから眠れないのかも」と思った。日中はずっとスマホを握って、仕事のメッセージに追われて、夜になっても頭がぐるぐると動き続けている。そういう日々が続いていた。

適切な条件のお風呂に入るだけで、交感神経から副交感神経への切り替えが行われ、自律神経のバランスを整えることができる
という。良質な睡眠のためにわざわざ何か特別なことをしなくても、毎晩の入浴時間を少し丁寧にするだけでいい。それならできそうだと思った。

初めて湯船に浸かり直した夜のことは、よく覚えている。バスルームにアロマキャンドルを一本だけ灯して、「ユキノハ」というブランドの柚子と白茶のバスソルトをひとつかみ入れた。お湯の表面がうっすら白く濁って、柑橘系のやわらかな香りが立ちのぼってくる。蒸気が頰にふれる感覚が、じんわりと温かい。子どもの頃、母が毎晩お風呂を沸かしてくれていたこと、脱衣所に干してあったタオルがいつもほんのり柔軟剤の匂いがしていたこと、そういう記憶がふと浮かんできた。

入浴時間の目安は15〜20分程度
とされている。最初は「20分も浸かれるかな」と思っていたけれど、香りと温度に包まれていると、時間が溶けるように過ぎていく。気づいたら湯船の中でうとうとしかけていて、慌てて立ち上がろうとしたら足がふらついた——そういう小さな失敗も、なんだか悪くない夜の一コマだった。

ノーメイクデーを取り入れた友人が言っていた「肌が喜んでいる感じがする」という言葉の意味が、少しわかった気がする。入浴時間も同じで、身体に「今日はここまで」と伝えるための儀式みたいなものなのかもしれない。ぬくもりアイテムとしてのお風呂は、外側から温めるだけじゃなく、心の奥の緊張を少しずつほぐしてくれる。

入浴によって自律神経が整い、不眠の改善や体調管理が楽になる可能性がある。
夏だからこそ、シャワーだけで済ませてしまいがちだけれど、それがもったいないと今は思う。冷房で冷えた身体を内側から温め直すこと。その20分が、翌朝の目覚めをまるごと変えてしまうかもしれない。

ストレス解消、自律神経の調整、そして良質な睡眠。難しい言葉で語られることが多いけれど、その入り口は案外シンプルで、今夜の入浴時間に静かに待っている。湯気の向こうに、ちゃんとした休息がある。

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