「感じたことメモ」からはじまる、わたしを整える小さな習慣

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夏の終わりが近い、とふと気づいたのは、夕方のベランダに出たときのことだった。あの刺すような日差しがほんの少しだけ柔らかくなって、風に金木犀とはまだ違う、名前のつかない涼しさが混じっていた。8月の終わり。季節の境目というのは、不思議なほど身体に正直に届く。

そのとき手元にあったのが、最近はじめた「感じたことメモ」だ。大げさなものじゃない。スマホのメモでも、100円のノートでもいい。「今日、風がちょっとだけ秋っぽかった」「お風呂上がりに肩がほぐれた気がした」そういう、誰かに言うほどでもない小さな感覚を、ただ書き留めるだけ。それだけのことが、じわじわと自分の輪郭を取り戻してくれる感じがしている。

自律神経は、交感神経と副交感神経のバランスによって成り立っており、睡眠不足や慢性的なストレスが続くとそのバランスが崩れやすくなる。
身体が緊張モードのまま夜を迎えてしまうと、眠りが浅くなり、翌朝また疲れた状態でスタートする。そのループに、気づかないまま何週間も入り込んでいたことがある。

「感じたことメモ」を書くようになったのは、そんな時期だった。自分への問い合わせ、とでも言えばいいだろうか。「今日の身体、どうだった?」「何を心地よいと感じた?」そう問いかけることで、ぼんやりとしていた自分の状態が、少しずつ言葉になっていく。不思議なことに、それだけでストレス解消になっていく感覚があった。頭の中に散らかっていたものが、ノートの上で整頓されていく、あの静けさ。

夜は副交感神経に切り替える時間を意識してつくることが大切で、38〜40℃程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かることで、身体がゆるみリラックスのスイッチが入りやすくなる。
わたしがいまお気に入りにしているのは、「ルナティーク バスソルト」というブランドのラベンダー入りの入浴剤。湯船に溶かした瞬間、ふわっと立ち上る香りが、今日一日の力みをほどいてくれる気がする。

就寝の1〜2時間前にぬるめのお風呂に入ると、入浴後に体温がゆるやかに下がって自然な眠気が訪れやすくなる。
身体を温めることと、良質な睡眠は、切っても切れない関係にある。冷えたまま布団に入っても、身体はなかなか休息モードに切り替わってくれない。

ちなみに以前、「感じたことメモ」に「お風呂でうとうとしてしまった」と書いたことがある。翌日それを読み返して、「それはさすがに危ない」と自分でツッコんでしまったのだけど、それくらい身体が温まりを求めていたのだと、今は素直に受け取っている。

朝日を浴びることでセロトニンの分泌が促され、自律神経のバランスが整いやすくなるとされている。
だから最近は、朝のゆる予定づくりも取り入れるようにした。「7時に起きてカーテンを開ける」「白湯を一杯飲む」それだけ。予定と呼ぶには小さすぎるくらいの、でも確かに身体を整えてくれる一連の流れ。

睡眠はたかが睡眠ではない。自律神経の嵐を起こしすぎないようにすることが大切で、睡眠は人生の三分の一と心得ることが必要だ。
若いころは「寝なくても大丈夫」が自慢だった。でも今は、よく眠れた翌朝の、あの皮膚の透明感と目の奥の軽さを知ってしまったから、もう戻れない。

感じたことを書く。自分への問い合わせを続ける。ゆる予定づくりで身体のリズムを守る。どれも地味で、SNSに映えるものじゃない。でも、それが積み重なったとき、鏡の中の自分の顔が、少しだけ柔らかくなっているのに気づく。それで十分だと、今年の夏の終わりに、わたしはそう思っている。

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