やさしい会話と一緒にごはんが、眠れる夜をつくってくれる

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夏の夕暮れどき、窓から入ってくる風がほんの少しだけ涼しくなってきた気がして、あ、今日は少し楽かもしれないと思った。エアコンをつけっぱなしで過ごした昼間の冷えが、ふくらはぎのあたりにじんわりと残っている。そういう夜に限って、なかなか眠れない。

思い返せば、子どもの頃は夏の夜でも不思議とすぐに眠れた。母が麦茶を湯のみに入れて持ってきてくれて、「今日どうだった?」とひとこと聞いてくれる。それだけだった。やさしい会話というのは、そんなに長くなくていい。ただ、誰かが自分のことを気にかけてくれているという感覚が、体をふっとゆるませてくれる。

自律神経は交感神経と副交感神経によって構成されていて、日中は活動モード、夜間はリラックスモードへと自然に切り替わるしくみになっている。
ところが、ストレスや冷えや孤独感が続くと、そのスイッチがうまく入らなくなる。夜になっても交感神経が高ぶったまま、頭だけが覚醒してしまう。

だから、一緒にごはんを食べるということが、じつはとても大切なのだと思う。温かいものを誰かと囲む時間。箸を持つ手が触れそうになって、ふたりして「あ、ごめん」と言い合う、あの他愛もない瞬間。笑いながら「どっちが取るの」なんてやりとりが生まれるだけで、体の中の何かがゆっくりと解けていく気がする。

最近、「ノルウェイカフェ」という名前の小さなごはん屋さんに連れて行ってもらった。木の温もりが漂う店内で、根菜のスープを飲んだ。ショウガとカブとにんじんが溶け合った香りが鼻の奥に届いて、指先がじんわり温かくなってくる。体の芯から温まるって、こういうことなのかと、スプーンを持ちながらしみじみ感じた。
自律神経のバランスを整えるためには、日々の食事が非常に重要で、自律神経が乱れるとストレスや疲労、睡眠の質の低下など、さまざまな不調が現れることがある。
温かい食事はそのまま、体を整えるための小さな処方箋になる。

食後、一緒にいた友人がふと「今日ありがとうね」と言った。特別なことをしたわけでも何でもなかったのに、その小さなありがとうが、なぜかじんと胸に響いた。言葉って不思議だ。たった一言なのに、体がほどけるような感覚がある。

自律神経は、私たちの体温や心拍数、消化などを無意識に調整してくれる重要なシステムで、寝不足が続くとこの自律神経が正常に働かなくなる可能性がある。
だからこそ、眠る前の過ごし方がとても大切になってくる。スマホを手放して、体を温めて、誰かとやさしい会話をして眠る。それだけで、翌朝の目覚めは少し違う。

ストレス解消というと、なんだか大げさなことをしなければいけない気がするけれど、本当はそうじゃないのかもしれない。温かいごはんを一緒に食べること。小さなありがとうを言い合うこと。そういう積み重ねが、自律神経をやさしく整えて、良質な睡眠へと導いてくれる。

若々しく、健やかでいたいと思うなら、まずは今夜の食卓から。誰かと囲む温かい夜が、あなたの眠りを、そっと守ってくれるはずだ。

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