夜のルーティンを変えたら、朝が変わった。ストレッチ・深呼吸・ゆる筋トレで整える、自律神経と睡眠の話

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五月の終わりが近づいてくると、夜風がやっと少しだけ柔らかくなる。窓を細く開けると、どこかの庭から金木犀ではなくて、もう少し淡い、名前のわからない花の香りが流れてくる。そんな夜に、わたしはようやく「身体を整えること」を、本気で始めた。

きっかけは小さかった。ある朝、起き上がろうとして肩が重くて、思わず「あ、これ昨日の自分のせいだ」と思ったのだ。前夜、スマホを見ながらそのまま眠ってしまった。ストレッチどころか、深呼吸のひとつもしていなかった。

呼吸と自律神経は密接に関係していて、浅い呼吸が続くと交感神経が優位になり、心身にさまざまな不調を引き起こす可能性がある。
それを読んだとき、「ああ、毎晩の浅い息が、あの重い朝をつくっていたのかもしれない」と、腑に落ちた。

だから夜のルーティンを変えることにした。まず、お気に入りのアロマブランド「ルーナボタニカ」のラベンダーミストをひと吹き。部屋に静かな香りが広がる中、ヨガマットの上に座る。そこから始まるのが、わたしの「夜の三点セット」だ。

最初はストレッチ。首をゆっくり右に倒すと、側頭部からじわりと熱が広がる感覚がある。次に肩甲骨を寄せるように腕を後ろへ引くと、胸の中心がほぐれていく。
ゆっくり行うこと、呼吸を止めないこと、毎晩おおよそ同じ時刻に繰り返すこと。人の体は合図に反応するから、寝る前の静かなルーティンを重ねるほど、体は「そろそろ休む時間」と学習していく。
これを知ってから、時間を決めることをやめなくなった。

ストレッチの後は深呼吸。鼻からゆっくり吸って、口からさらにゆっくり吐く。
吐くときはお腹がゆるんでいることを手のひらで観察し、吸うときは風船を膨らませるように、お腹の前だけでなく横や後ろ、腰まわりにも空気を入れるような感覚で。
最初はうまくできなくて、「ちゃんとお腹に入ってるのかな?」と頭の中でツッコんでいた。何度やっても胸しか膨らまない。どうやら長年の浅い呼吸で、身体が腹式呼吸を忘れていたらしい(身体って、意外とサボり上手だ)。

そして最後に、ゆる筋トレ。
ヨガやピラティスなど、総合的に身体を強くするプログラムが人気を集めていて、筋力トレーニングはあらゆる年齢層のための運動だと言われている。
だからといって激しくやる必要はない。仰向けで膝を立てて、お尻をゆっくり持ち上げるだけ。体幹に静かな火が灯るような、あの感覚が好きだ。

ストレッチをすることで副交感神経が優位になりリラックスできる。リラックス効果を高めるためには、ゆっくり深呼吸しながら行うことで、より副交感神経を優位にできる。
自律神経が整い始めると、眠りの深さが変わってくる。翌朝、目が覚めたとき、身体がフラットな感じがする。以前のような「重さ」が、少しずつ薄れていった。

入浴や足湯で末端の血流を促してからストレッチに入ると、深部体温の自然な低下が進みやすくなる。
身体を温めることが、良質な睡眠への入口になる。そのことを知ってから、シャワーで済ませていた夜を、湯船に変えた。たったそれだけで、ストレッチの質がまるで違う。筋肉が素直にほぐれていく。

若々しさとか、美しさとか、そういう言葉は少し大げさに聞こえるかもしれない。でも毎晩の小さな積み重ねが、朝の顔色を、声のトーンを、確かに変えていく。ストレッチと深呼吸とゆる筋トレ。この三つが揃った夜は、眠りが違う。そして眠りが変わると、翌日の自分が、少しだけ好きになれる気がする。

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