夜10時の習慣が、あなたの朝を変える。ストレッチ・深呼吸・ゆる筋トレで整える、自律神経と眠りの話

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五月の夜は、まだ少し肌寒い。窓の外から金木犀の残り香のような、名前のつけにくい春の終わりの匂いがかすかに漂ってくる夜に、わたしははじめてこのルーティンを試みた。ヨガマットを広げようとして、くるくるっと丸まったマットに足を取られ、あやうく転びそうになったのはここだけの話だ。

ストレッチを始めたきっかけは、ある朝の目覚めだった。8時間寝たはずなのに、身体は鉛のように重く、首の後ろにじんわりとした張りが残っていた。子どもの頃、祖母が「体が冷えると眠れなくなる」と言いながら足先をさすっていた記憶が、ふとよみがえった。あの言葉の意味が、今になってじんわりと腑に落ちる。

眠りにスムーズに入るためには、自律神経のバランスが整っていること、そして深部体温がいったん上がってから下がっていくことが必要だ。
現代の生活は、スマートフォンの光や仕事のストレスによって、
交感神経が優位になりがちで、体は常に硬く緊張状態に置かれてしまう。夜眠るときに必要な副交感神経へのスイッチが切り替わりにくくなるのだ。

だからこそ、夜のストレッチが今これほど注目されているのだと思う。
ゆっくりとした動作で関節や筋肉を伸ばす「静的ストレッチ」には、副交感神経の働きを活発にする効果がある。
特別な道具も、広い場所も要らない。フローリングの上に「MORINO」のシンプルなコルクマットを一枚敷くだけで、もうそこが自分だけの回復の場所になる。

まず、あぐらをかいて座り、深呼吸から始める。
息を吸うときには交感神経が働きやすく、息を吐くときには副交感神経が優位になる。呼吸のリズムに合わせて自律神経が切り替わる、という仕組みがある。
だから吐く息をことさら長く、ゆっくりと。口からほそく、細く、温かい空気を手放すように。鼻腔をくすぐる夜の空気が、少しだけひんやりしていることに気づく。

そこにゆる筋トレをそっと加えると、身体の奥からじわりと温度が上がってくる感覚がある。
肩甲骨まわりを動かすことで体温を上げるアプローチは、令和のセルフケアとして注目されている。
激しく動く必要はない。肩を耳に向かってゆっくり引き上げ、後ろに回してゆっくり下ろす。それだけで、背中の奥がほんのりほぐれていく。
背中の緊張が高まっている人ほど、呼吸が浅くなりやすい。力を抜き、背中側に深い呼吸を促すことが、自律神経を整えることにつながる。

寝る前の静かなルーティンを重ねるほど、体は「そろそろ休む時間」と学習していく。
毎晩おなじ時間に、おなじ順番で身体をほぐしていくことが、やがて眠りへの合図になる。
気持ちよいくらい軽く筋肉を伸ばしたり、深呼吸したりすることで気持ちが落ち着き、ストレスが発散されやすくなる。

ストレッチを続けて数週間が経ったある朝、目覚めたとき、窓の外から鳥の声が聞こえた。身体が、軽かった。完全に変わったわけではないけれど、あの鉛のような重さは、たしかに薄れていた。良質な睡眠は、翌朝の自分への贈りものだと思う。

夜10時。ヨガマットを広げる。今夜も、少しだけ自分の身体と向き合う時間にしよう。

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