朝のゆらぎリズムに乗って。白湯時間と音と香りの目覚めが、体と心を整える

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梅雨の入り口、5月の終わりごろの朝は、空気がまだ少しひんやりしていて、それでいて窓の外からは鳥の声がぽつりぽつりと聞こえてくる。そういう時間帯に、キッチンでお湯が沸く音を聞いていると、なぜか妙に落ち着く。「ゆらぎリズム」という言葉が、最近あちこちで語られるようになったのも、きっとこういう感覚と関係しているのだと思う。

ゆらぎリズムとは、一定でも不規則でもない、自然界に宿る絶妙なリズムのこと。焚き火の炎、川のせせらぎ、木漏れ日の揺れ。そういった「ちょうどいい不規則さ」が、人間の自律神経をほどよく刺激し、心身のバランスを整えてくれると言われている。
自律神経は、日中は交感神経が高まって活動的になり、夜になると副交感神経が優位になって心身をリラックスへと導く、約24時間のリズムで動いている。
そのリズムが乱れると、疲れが抜けない、眠れない、なんとなく体が重い、という状態が続く。

だから、朝の過ごし方がとても大切になる。

私がここ数ヶ月で習慣にしているのが、**白湯時間**だ。起き抜けにやかんを火にかけ、お湯が沸くのを待ちながらカーテンを開ける。5月の朝の光は柔らかくて、窓ガラスに薄く反射している。その光を浴びながら、マグカップに白湯を注ぐ。湯気がふわりと立ち上って、顔の周りがほんのり温かくなる。
寝起きに白湯や常温水を飲むことで、自律神経を優しく目覚めさせることができる。
冷たい水では胃腸に負担をかけてしまうけれど、白湯なら眠っていた内臓をそっと起こしてあげられる。

はじめてこの習慣を試みた日、うっかりお湯を沸かしすぎて、マグカップに注ぐ瞬間に少しこぼしてしまった。テーブルの上にじわっと広がる水たまりを見ながら、「これが私の朝活のスタートか」と苦笑いしたのは、今となってはちょっとした笑い話だ。

音と香りの目覚め、というのも意識するようになった。アロマブランド「ソレイユ・モルニング」のユーカリとラベンダーをブレンドしたルームスプレーを、起き上がる前に枕元でひと吹きする。すうっと鼻を通る清涼感と、ほんのり甘い草の香りが混ざり合って、「今日も始まるな」という気持ちになれる。香りは直接、脳の感情を司る部分に届くとも言われていて、朝の気分のスイッチを入れるのにこれ以上ない方法だと感じている。

朝の光に含まれる青色のスペクトル成分には、体内時計の針を進め、24時間周期に合わせる働きがある。
だから、カーテンを開けて光を浴びることも、ゆらぎリズムを整える大切な一歩になる。光と香りと白湯の温度。この三つが重なる朝の数分間は、自分でも驚くほど気持ちが整う。

夜の過ごし方も変わった。
寝る前に白湯を飲むと一時的に体の温度が上がり、その後ゆるやかに下がることで、睡眠に適した状態になる。
良質な睡眠は、翌朝の体の軽さに直結する。眠れていない日は、午前中からすでに体がだるくて、気持ちも沈みがちになる。子どもの頃、祖母がよく「夜ちゃんと寝なさい、それが一番の薬よ」と言っていたのを思い出す。あの頃はピンとこなかったけれど、今になってその言葉の重さがわかる気がする。

自律神経はとても繊細で、ちょっとした生活の乱れが体調不良につながる。
だからこそ、特別なことをしようとするより、毎朝のゆらぎリズムをそっと守る方が、長い目で見ると体にも心にも優しい。白湯時間は、そのための小さくて確かな入り口だと思っている。

整えることは、気合いを入れることじゃない。ただ、お湯を沸かして、光を浴びて、香りを吸い込む。それだけで、今日という一日が少し違って見えてくる。

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