「感じたことメモ」が、わたしの自律神経を整えてくれた話

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十月の朝はすこし、空気が違う。

窓を開けた瞬間に頬に触れる冷たさ、それでいてどこかやわらかい風。「ああ、秋がちゃんとここにいる」と感じた。コーヒーメーカーから漂うほろ苦い香りが台所に広がって、わたしはいつものように小さなノートを手に取った。

最近、「感じたことメモ」を始めた。きっかけは些細なことで、友人が「朝にひとこと書くだけで、なんか体が楽になった気がする」と言ったのを聞いたのがきっかけだ。半信半疑で始めたのだけれど、気づけばもう三ヶ月が過ぎていた。

最初の一週間は正直、何を書けばいいのかさっぱりわからなかった。「今日も眠い」「昨日は寒かった」、そんな文字が並ぶだけ。でも、それでよかったのだと今は思う。感じたことをそのまま書くことは、いわば**自分への問い合わせ**だ。「わたしは今、何を感じているの?」と、自分の内側に静かに電話をかけるような行為。自律神経が乱れているとき、人はたいてい自分の感覚から遠ざかってしまっている。だから、まずは「感じること」に気づくだけでいい。

ちなみに、先日こんなことがあった。メモを書こうとして、ペンのキャップをはめたまま紙に押しつけること数秒。「なんで書けないんだろう」と本気で悩んだあと、ようやく気づいた。キャップ、外してなかった。朝の頭というのは、そういうものらしい。

このメモ習慣と一緒に、わたしが取り入れたのが**ゆる予定づくり**だ。スケジュール帳に「やらなければならないこと」を並べるのではなく、「今日、自分に許してあげたいこと」を書く。たとえば「夜は湯船に20分つかる」「スマホを22時にしまう」。それだけ。

身体を温めることは、想像以上に大切だと実感している。お風呂に浸かると、末端まで血が巡る感覚がある。指先がじんわり温かくなって、肩の力がすっと抜けていく。子どもの頃、銭湯で祖母に背中を流してもらいながら「ぬるいお湯の方が長く入れるんよ」と教わったことを、大人になってから何度も思い出す。あの言葉は正しかった。

夜の質は、翌朝の自分をそのままつくる。眠りが浅いと、何をしても頭の霧が晴れない。「ノクタリア」という架空のアロマブランドのラベンダーブレンドを枕元に置くようになってから、入眠がほんの少し早くなった気がする。香りというのは、理屈より先に体に届く。

良質な睡眠は、自律神経の調整に深くかかわっている。眠っている間に副交感神経が優位になり、昼間に張り詰めた緊張をほどいてくれる。だからこそ、眠る前の時間の使い方が、翌日のコンディションを静かに左右するのだ。感じたことメモを夜に書くと、頭の中でぐるぐるしていた言葉が紙の上に降りていって、不思議と眠くなる。ストレス解消というと大げさに聞こえるかもしれないけれど、「書いて、手放す」という小さな動作が、思いのほか心を軽くしてくれる。

美しく、健やかでいたいと思うとき、わたしたちはつい「何かを足す」方向に走りがちだ。でも、ほんとうに必要なのは「感じることを取り戻す」ことなのかもしれない。メモ一枚、湯船の温かさ、夜の静けさ。そのどれもが、自分を整えるための、小さくて確かな手がかりだ。

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